スポーツ少年団のあり方について

鹿児島県体育協会

 スポーツ少年団の理念は,複雑多岐にわたる現代社会に生きる子どもたちを,心身ともに健全で,子どもらしい明るい表情を持った元気な子どもに育てることがその根本であります。スポーツ少年団の主人公は,あくまでも「子どもたち」です。この子どもたちの健全育成を支援する者が,子どもを取り巻く大人たち(指導者,育成母集団,関係機関担当者等)です。

 スポーツ少年団には,団員。指導者・育成母集団等で構成される『単位スポーツ少年団』この単位スポーツ少年団の集合体として設立される『市町村スポーツ少年団』,市町村スポーツ少年団の集合体で設置された『鹿児島県スポーツ少年団』がありますが,いづれも組織体として設立されたものであるため,当然ながら規約・規程・設置規程等のルールが存在します。それぞれのスポーツ少年団が,このルールに則った運営や活動をしているか否かに起因する問題が生じている実態があります。また,スポーツ少年団のホームグラウンドは,社会教育の場が主であって競技志向は副であるべきですが,昨今の実態として主客転倒の現象が起きていることも否めません。そして,この主客転倒の現象から起きるスポーツ少年団育成の諸問題・課題が発生していることも事実であります。

 このスポーツ少年団育成の諸問題・課題を解決するために,市町村スポーツ少年団と鹿児島県スポーツ少年団が一体となって単位団の運営や活動を支えていくことが重要であると存じます。つきましては,下記事項等を十分留意していただき,各段階でのスポーツ少年団活動や運営が,子どもたちの健全育成に資するものとなるような支援・指導をよろしくお願いいたします。

1 単位団の構成員全員の「合議」による団運営に心掛け,団員,指導者,育成母集団員,単位スポーツ少年団が孤立・独走することがないように努める。

2 団規約,育成母集団規約,市町村スポーツ少年団規約等のルールに則した団運営に努める。特に,国の構成員全員の合意に基づく年間活動(運営)計画を立案し,少年団に課せられた7つの活動領域が計画的にかつ効率良く活動できる態勢を確立する。

3 団員たちは,心身ともに発育発達期にある子どもたちであり,子どもたちのからだと心は,決して成人のミニチュアではない。そこには著しい少年期の特徴が見られるので,子どもの実態に合った指導をすることが肝要である。そのためには,「長所を褒める」指導に徹し,決して体罰やことばの暴力等があってはならない。

4 団活動については,地域での活動に徹し,週3回以内,1日2時間以内という原則線を厳守する。活動エリアは,子どもたちが日常生活を営む「地域社会」である。

5  対外試合の出場回数についても,団員,指導者,育成母集団員で年間計画を作成し無理のないように努める。